...彼――福士大尉の、喪(うしな)われたる記憶は、その一瞬の間に、完全に恢復(かいふく)したのだった――ドクター・ヒルが示唆(しさ)したところと、ぴたりと一致する経過をとって……...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...一瞬の間にどこへ身を隠し得たか...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...一瞬の間はっきりと映ったのである...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...裏を返すと彼の心は一瞬の間緊縮された...
豊島与志雄 「恩人」
...一瞬の間は、おそらく二、三分の間は、その一面の壁に身を隠すことができた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それは實に一瞬の間に起つた大動亂でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...勝負は一瞬の間だ...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...一瞬の間に、激動と感激の絶壁と絶壁を駆け廻つた群童のどよめきは、容易に鎮まらうともしなかつた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...そんな想ひは窓先を寄切る白い花片のやうに一瞬の間に消え去(う)せて...
牧野信一 「陽に酔つた風景」
...彼は大地の堆(うずたか)い堆積や限なき永劫(えいごう)よりも一瞬の間にせよ闇黒の深さを破って輝く星の光を愛することを知っている...
三木清 「語られざる哲学」
...それらの喜ばしい艶やかな雑作は一瞬の間に...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...(a)どうも一瞬の間に事をしてのけるのは機知が得意とするところ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一瞬の間にやり終る訓練に身を捧げた若ものである...
横光利一 「夜の靴」
...會ひ難き一瞬の間において...
吉川英治 「折々の記」
...ここへ集合した大部分の者が、一瞬の間に、各ふだんの姿をかなぐり捨てて、こよいの晴れの討入装束に着更えてしまった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...院の御所とか、六波羅(ろくはら)の館(やかた)とかまた平家の門葉(もんよう)の第宅(ていたく)には、夜となれば月、昼となれば花や紅葉、催馬楽(さいばら)の管絃の音(ね)に、美酒と、恋歌(こいうた)の女性(たおやめ)が、平安の夢を趁(お)って、戦いと戦いとの、一瞬の間を、あわただしく、享楽しているのであったが、一皮(ひとかわ)剥(む)いた京洛(みやこ)の内部には、こうした、飢(う)えと飢えとの寄り合い家族と、家なき浮浪人が、空寺(あきでら)、神社、辻堂、石垣、およそ屋根と壁の形さえあれば――そして住む主(ぬし)さえいなければ――巣を作って、虫螻(むしけら)のごとく、獣(けだもの)のごとく、生きていた...
吉川英治 「親鸞」
...一瞬の間を刻(きざ)んで...
吉川英治 「親鸞」
...――その一瞬の間に武蔵のすがたは見る影もなく変っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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