...その中にプッと消えた...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...それは恰(あだか)も昔の七つさがり、即(すなわ)ち現今(いま)の四時頃だったが、不図(ふと)私は眼を覚ますと、店から奥の方へ行く土間の隅(すみ)の所から、何だかポッと烟(けむ)の様な、楕円形(だえんけい)の赤児(あかんぼ)の大きさくらいのものが、下からスーと出たかと思うと、それが燈心(とうしん)の灯(あかり)が薄赤く店の方の、つまり私の寐(ね)ていた、蒲団の裾(すそ)の方へ、流れ込んで映っている、ここに三尺ばかり開(あ)いてる障子のところを通って、夜伽(よとぎ)の人々が集(あつま)ってる座敷の方へ、フーと入って行った、それが入って行った後(あと)には、例の薄赤い灯(ひ)の影が、漸々(ようよう)と暗く蔭(かげ)って行って、真暗になる、やがて暫時(しばらく)すると、またそれが奥から出て来て、元のところへ来て、プッと消えた、私は子供心にも、不思議なものだとは思ったが、その時には決して怖ろしいという様な考(かんがえ)は、少しも浮ばなかった...
岡崎雪聲 「子供の霊」
...たといプッと吹き出さぬまでも「馬鹿なことをいう」とか...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...プッと屁(へ)を放ったのが可笑(おか)しかったらしい...
徳永直 「あまり者」
...マンは、薬缶(やかん)の水をふくむと、兄の顔に、プッと、吹きかけた...
火野葦平 「花と龍」
...すべてのおそろしさも打ち忘れてプッと噴飯(ふきだ)さずにはゐられなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...三益と抱き合ふとこで、プッと一発、くさいので三益参ってゐた...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ときどき起き上がるとトプッと枕許の金盥(かなだらい)へまた血を吐いた...
正岡容 「小説 圓朝」
...プッと小さくその拳へ呼吸を掛けた...
正岡容 「寄席」
...俺は御本人のお顔のほうが早く教えてもらいてえんだよ」「教えるにも教えねえにも」とうとう桃輔はプッとふき出して...
正岡容 「寄席」
...」狐はプッと五つぶめの肉を吐き出しながら云ひました...
宮沢賢治 「黒ぶだう」
...植木をぬくとき細い根の切れて来るプリプリプッというような音がするのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...カプッと一口に飲みほして)ほっ! ごめんあそばせ...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...カプッと飲みほす)……たった一つしきゃない...
三好十郎 「胎内」
...奥さんのことでも思い出したんじゃない?佐山 ……(ノドにゲプッと音をさせる...
三好十郎 「胎内」
...火縄(ひなわ)をプッと吹いたようす――...
吉川英治 「神州天馬侠」
...万吉は思わずプッと吹き出して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ルパンは突然プッと噴飯(ふきだ)した...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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