...長上――目上のしかもたゞ自分より年が上だとか親だとか云ふことを楯にして自分の都合のためばかりに僅かばかりの経験とか何とかを無理な理屈にこぢつけて理不尽に服従させてもいゝと云ふやうな理屈があるでせうか...
伊藤野枝 「従妹に」
...牛馬(ぎうば)を駆(つか)ひて薪(たきゞ)を家に運(はこ)びて用にあつる也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...この事実が観念としてゞなく体験として滲みだした...
種田山頭火 「其中日記」
...湯田はよいとこ(たゞ温泉がある故に)...
種田山頭火 「旅日記」
...――この旅はいはゞ私の逃避行である...
種田山頭火 「松山日記」
...憲宗の元和の初までゞあつて當時元白體は未ださう盛んではなかつたからである...
内藤湖南 「平安朝時代の漢文學」
...目のとゞくかぎり続いてゐる葱と大根と菠薐草(はうれんそう)の畠には...
永井荷風 「買出し」
...女(をんな)は唄(うた)はなくても太皷(たいこ)の音(ね)が村落(むら)の子(こ)を遠(とほ)くから誘(さそ)ふのに氣(き)の乘(の)らぬ唄(うた)ひやうをして只(たゞ)其(そ)の一句(く)を反覆(くりかへす)のである...
長塚節 「土」
...油煙(ゆえん)がぼうつと騰(あが)るカンテラの光(ひかり)がさういふ凡(すべ)てを凉(すゞ)しく見(み)せて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...誰(たれ)かが……例へばすみ子を可愛(あい)がると同時に金太郎にも愛(あい)を感(かん)じてゐるといつた風のすみ子の上級(きう)生か何かゞ...
新美南吉 「坂道」
...不二屋の暖簾(のれん)をくゞつて御覽なさいよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...たゞ恐れるのは遲々たる修理工事の間に...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...「炎天つゞきの真夏のことであつた...
平出修 「夜烏」
...「たゞ――」と、自分は煩はしさうに力を込めて云つた...
牧野信一 「極夜の記」
...云はゞあんな寂しさから救はれようと努めた...
牧野信一 「毒気」
...俺等(おれたち)はたゞ生まれて來たのじやあるまいからな...
三島霜川 「平民の娘」
...「……いかゞ成行やらん」としていた人心に...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...たゞ、車窓から見る豐川の流が多摩川より大きいごとく、こちらの方が幾分廣やかな眺めを持つかとも思はれた...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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