...頭腦が紛糾(こんがら)かつて四邊(あたり)を甚(どんな)人が行かうと氣にも止めなかつたに不拘(かゝはらず)...
石川啄木 「病院の窓」
...此辺でいゝきのこだと云はれてゐるものでも...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...ドイツ人の倉庫から例の時計仕かけの爆発薬をすつかり盗み出すと一しよに家族たちを都合のいゝ或場所へつれて来ました...
鈴木三重吉 「勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)」
...かゝる簡単な工夫をすら施そうとする者がなく...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...行つてくるの?」「えゝ...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...垣(かき)の処に寄りかゝつて泣いて居た...
田山花袋 「朝」
...夥多の麥を振り蒔きて農夫の食事とゝのへぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...甚だ面白くないものであつたゝめ...
戸川秋骨 「翻訳製造株式会社」
...咽喉が乾いて來ると殆ど我慢の出來ぬ程匂のいゝ甘い果物と珈琲とが味ひたくて堪らなく思はれたのだ...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...其(そ)の衣物(きもの)は」「本當(ほんたう)にまあ」おつぎは始(はじ)めて心付(こゝろづ)いたやうで「先刻(さつき)土手(どて)さ行(え)く時(とき)...
長塚節 「土」
...弟は我儘者(わがまゝもの)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「あゝまだゆつくり間に合ひますよ」それから...
林芙美子 「谷間からの手紙」
...母親(はゝおや)かげの毒舌(どくぜつ)をかくして風(かぜ)引(ひ)かぬやうに小抱卷(こかいまき)何(なに)くれと枕(まくら)まで宛(あて)がひて...
一葉女史 「大つごもり」
...彼は縺れかゝつた絲巻の端をさがさなければならないと思つて...
平出修 「逆徒」
...常緑樹(じようりよくじゆ)ではその葉(は)と枝(えだ)との間(あひだ)に芽(め)ぐんで寒氣(かんき)をも平氣(へいき)でくゞつて少(すこ)しづゝ生長(せいちよう)を續(つゞ)け春(はる)になると急(きゆう)に發芽(はつが)するわけです...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...毎朝僕は、祖父と祖母の感情を非常に昂ぶらせても容易に眼醒めた験としてもなかつたが、「えゝ、お早うござい……」といふ武さんの声を耳にする朝だけは、蝗のやうに勢ひ好く飛びあがつて、朝飯も食はなかつた...
牧野信一 「肉桂樹」
...なんだかだと物は高くなるのに賃金は元のまゝだし...
三好十郎 「地熱」
...良(やゝ)久しく顔を見合せて考へた上で云つた...
森鴎外 「大塩平八郎」
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