...それにつき添った牛飼いの童(わらべ)と雑色(ぞうしき)とは、うさんらしく太郎のほうへ目をやったが、牛だけは、角(つの)をたれて、漆のように黒い背を鷹揚(おうよう)にうねらしながら、わき見もせずに、のっそりと歩いてゆく...
芥川龍之介 「偸盗」
...お前たちはわき見をしていたんじゃあるまいな...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...寸時もわき見をしないで...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...わき見さえしなかったといいはるのです...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...それが少しもわき見をしないで...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...煙(けむ)たげな表情になりながらわき見をしたり...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...わき見をしたといっては叱(しか)りつけ...
壺井栄 「二十四の瞳」
...多勢の人が見ているのも無関心のようにわき見もしないで急いで行く...
寺田寅彦 「震災日記より」
...その前に水兵服の十四五歳の男の子がわき見をしながらこれもヴァイオリンの弓を動かしている...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...わき見をしていたので...
豊島与志雄 「楊先生」
...それゆゑ行儀が悪いと操行点をひかれるといふ恐しいその時間に頬杖をついたり、わき見をしたり、欠伸をしたり、鼻唄をうたつたり、出来るだけ行儀を悪くして抑へ難い反感をもらした...
中勘助 「銀の匙」
...わき見をしていたために...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の用に熱中しているようなわかい役人がわき見もせずに彼の前を往来した...
本庄陸男 「石狩川」
...窓のさくらはきれいだがわき見はならぬとんてんかんなにがおもてを通らうがよそ見はならぬとんてんかんくにのかあさん思ひ出し淋しくなつてもとんてんかん鍛冶屋の小僧さんほそ腕に力をこめてとんてんかん...
水谷まさる 「歌時計」
...わき見をしていた者が見なおすと...
吉川英治 「神州天馬侠」
...――目ざす城はあれぞ、わき見すな、いかなる邪魔も踏みこえよ! と、軍馬の前進へ拍車をかけて、号令するのが、兵法の常道であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...わき見をしていた周馬が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...静は、舞が終るとすぐ、わき見もせず、清経(きょつね)の邸へ帰った...
吉川英治 「日本名婦伝」
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