...せめてはこれぞわが物と笙(しやう)にしつらひ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...人の物もわが物もこの頃は差別がつかず...
太宰治 「新釈諸国噺」
...そうして小さな花壇をわが物のように占領している...
寺田寅彦 「柿の種」
...幼い時分から遊び馴(な)れた浜をわが物顔にずんずん歩いた...
徳田秋声 「仮装人物」
...写真屋も銀子をわが物顔にふるまい...
徳田秋声 「縮図」
...またわが物産貨物をばその富あるがゆえに高貴なる価値をもってこれを交易し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...人の物でもわが物でも...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここで思う存分泣いてみたいような気になっていると、隣室の幻覚のことも耳には入らず、他人の座敷を、わが物顔に、帰ることを忘れているのも気がつかず、なんとなしに、思う存分、甘い涙にひたって、泣けるだけ泣いてみたいような気分で、炬燵に頬をうずめてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...神主はああ言ってわが物顔に天変地異の安全を保証顔に説き立てるけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...若い衆たち! どこの国にわれとわが物を盗む阿呆があるだ?」「古い手だよ! 古い手だよ! ぢやあ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...それを隈なく知つてわが物となした……お前はその腕を闇の方へ向けて私にそれを振つて見せながら...
堀辰雄 「詩集「窓」」
...どこの往来でもわが物顔に押し回ってチャリンチャリン...
山本笑月 「明治世相百話」
...奈美女は最初よりわが物なり...
夢野久作 「白くれない」
...わが物書く上に屋根裏の砂ぼこりはらはらと散るも彼等いかで知らん...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...わが悲(かなし)みをわが物と...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...きょうこのごろその水軍たる大小の兵船がわが物顔に監視(かんし)の眼をひからせて...
吉川英治 「黒田如水」
...玉璽をわが物にしなければと考えておるものらしい」「なるほど...
吉川英治 「三国志」
...その断りかたが気にくわねえにせよ、なぜ、おらが立つ前に、あちらの客衆が迷惑したのを、黙りこくって、知らぬふりしていさらしたのじゃ」「あちらの客衆とは――おおあの幕(とばり)の中で先刻(さっき)から博戯(ばくち)をしておった町人どもか」「大口をたたくな、あの客衆は、並の客衆よりは、三倍も高い船賃を出してござらっしゃる」「いよいよ不埒(ふらち)な町人どもだ、衆人の中で、大びらに金を賭け、酒の座を気ままに占め、わが物顔して、この船中に振舞っている様子、面白くない人間どもかなと眺めていたのじゃ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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