...これから定子に会いに行ってよそながら別れを惜しもうと思っていたその心組みさえ物憂(ものう)かった...
有島武郎 「或る女」
...それでは、大切のお腰の物をお放しなさる気になったのか、それほどお入用(いりよう)の金ならばわたしの手で……と思いましたけれども、実は、このごろの自分は、もう貯えのお金とても無いし、自分が持っていないのみならず、お君さんにも、また御老女様にも借金までしてある、その借金はみんな、よそながら、あの人の困る様子を見るに見兼ねて融通して上げたお金であるが、今のところ、返さなくてはならないというほどの義理があるのではないけれど、なるべく早く、なんとかして返して上げたいものだと思っているくらいだから、この上、あの人たちに無心ができるものではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...よそながら越前屋を見張りましたよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...よそながらお前の姿を見張つて居たのだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それで自分にもおよそながら綴(つづ)りがついた...
吉川英治 「江戸三国志」
...――昨夜、師のお宿へ、おん身から長い書状が届き、わしも披見したので、よそながら、お別れに来た」「忝(かたじけ)のうぞんじまする...
吉川英治 「大岡越前」
...お城下端(はず)れの並木までよそながらお見送りに出たが……そのときのお顔の色も……ご容子も……いま思えば...
吉川英治 「黒田如水」
...兄も日ごとのそちの努力はよそながら観てはおるが」「……?」「わしも現世を去ってより正に三年...
吉川英治 「剣の四君子」
...大和(やまと)の当麻寺(たいまでら)にて、一夜よそながら、お目通りした覚えがありまする...
吉川英治 「私本太平記」
...よそながら一学(いちがく)は...
吉川英治 「神州天馬侠」
...よそながら見物していた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...姿はよそながら見たことがある...
吉川英治 「親鸞」
...よそながら、お噂もうかがって、いつも蔭ながらご無事をおいのりしておりましたが、ここでお目にかかれましたのも、ありがたいお上人様のおひきあわせでございましょう」と、ことばの下から念仏をとなえて、吉水の門を拝むのだった...
吉川英治 「親鸞」
...隠れなき上手の舞をよそながら見たい)という熱望だというのである...
吉川英治 「日本名婦伝」
...よそながら老公を見送ろうとしている留守の衆へ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...それと、鞍馬寺にある亡主義朝の遺子(わすれがたみ)牛若を、よそながら護り、よそながら教育し、やがての事は、その牛若の成人の日として待っているのである...
吉川英治 「源頼朝」
...五条の大橋でよそながら出会うことは出会ったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...佐々木小次郎の門前をよそながら見て通ったという木南加賀四郎の話によれば...
吉川英治 「宮本武蔵」
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