...泥靴はむなしく空を蹴つたのである...
太宰治 「逆行」
...救いのあらわれるのをむなしく待つことにした...
永井隆 「長崎の鐘」
...むなしくかすてらの脆い翼(つばさ)をばたばたさせる...
萩原朔太郎 「青猫」
...あんまり爽やかすぎたから却つて一日がむなしく終るのであらうか...
原民喜 「かげろふ断章」
...ハイジの願いもむなしく...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...けれどいつも起きて仕事をしているので女中はむなしく帰ったことがあった...
牧野富太郎 「若き日の思い出」
...そこに暗い星の下にむなしく風に吹かれている二つの鳥のぬけ羽のようであった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「かなしき女王」
...むなしく異郷の土となったのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...弱りはてた渡り鳥たちの、助けを求(もと)めるさけび声が、一日じゅう、むなしく、海の上にひびいていました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...目的ははたされずに子をつれてむなしく帰る若妻に似ているのである...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...志むなしく、流亡のお身の上と伺って、ご同情にたえません」呂布は、彼の謙譲を前に、たちまち気をよくして、胸を張った...
吉川英治 「三国志」
...むなしく遠征の途において敗死した孫堅以来...
吉川英治 「三国志」
...伽羅(きゃら)もむなしく...
吉川英治 「私本太平記」
...父子(ふし)の邂逅(かいこう)はむなしく小太郎山(こたろうざん)の砦(とりで)はあやうしとただ二行(ぎょう)の文字であった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...むなしく洞(ほら)ヶ嶺(みね)に一夜を焦躁して送ったこと...
吉川英治 「新書太閤記」
...むなしく北陸へ帰ったと聞いて...
吉川英治 「新書太閤記」
...高倉の宮の御謀議(おんくわだて)むなしく...
吉川英治 「親鸞」
...むなしく佳人に孤愁を抱かせておくはずもない...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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