...』言(い)いも終(おわ)らずこの白衣(びゃくい)の老人(ろうじん)の姿(すがた)はスーッと湖水(こすい)の底(そこ)に幻(まぼろし)のように消(き)えて行(ゆ)きました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...こういう哲学的な霧中のまぼろしはこのくらいに切り上げてもいいと思う...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...私は再び鮮かにその幻(まぼろし)の声を聞いた...
梅崎春生 「桜島」
...けっして夢でもまぼろしでもなかったのです...
江戸川乱歩 「天空の魔人」
...お前のこゑはまぼろしの地面に生える雑草である...
大手拓次 「藍色の蟇」
...いつもきまってそのまぼろしから...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...まるで幻(まぼろし)のように見えています...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...十年(ととせ)は夢かまぼろしか時の流は絶えねどもレーズの水は世に湧かずむかしの思忘られで今はたこゝにわれ一人夕日の前に佇めば染むとも見えぬ秋の色に山々高し水遠し...
土井晩翠 「天地有情」
...驚かされた幻(まぼろし)のような姿が...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分はいつまでも嫂(あによめ)の幻影(まぼろし)を描いた...
夏目漱石 「行人」
...友達の事など夢の如く幻(まぼろし)の如く...
福田英子 「妾の半生涯」
...その幻(まぼろし)の虚影のなかでは...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...やがてまぼろしは消えた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...「夢でもござりませぬ――まぼろしでもござりませぬ――わたくしの手を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...……その幻影(まぼろし)の最初に見え出したのは...
夢野久作 「斜坑」
...あの死後五十日目の黛(たい)夫人の冷笑のまぼろしが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...夢まぼろしのごとくなり――」桶狭間の決戦にのぞみ信長の舞った敦盛の謡いが...
横光利一 「旅愁」
...手を出してもつかまらない幻(まぼろし)のような気がするのである...
吉川英治 「親鸞」
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