...空までがぽとりと地面の上に落ちて来そうにだらけていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...朝倉だ」葉巻の灰がぽとりと死体の肩に落ちた...
高見順 「いやな感じ」
...ぽとりと一粒結晶して落ちた真珠の姿か...
太宰治 「正義と微笑」
...句集をぽとりぽとりと投げ入れた...
種田山頭火 「一草庵日記」
...胡瓜がしつかりつかんでゐる番茶濃きにもおばあさんのおもかげ・柿の花のぽとりとひとりで・てふてふうらからおもてへひらひら街が灯つた青葉を通して遠く近く入浴して心気颯爽...
種田山頭火 「行乞記」
...往生安楽国!・ほつかりと宵月のある枯枝で・風がでて葉が鳴るゆふべの祈り・春風の豚でうめく・日向の椿がぽとりと水へ・春がきたどろ/\の蓮を掘つてゐる・草の芽乞食が荷をおろした三月一日くもつてはゐるがぬくい...
種田山頭火 「其中日記」
...・おぢいさんも山ゆきすがたの大声でゆく十八日夜三句・つきあたつて大きな樹・酔ひしれた月がある・月影ながうひいて水のわくところまで・水底青めば春ちかし(追加)・椿またぽとりと地べたをいろどつた・はなれた家で日あたりのよい家で・蛙も出てきたそこへ水ふく・眼白あんなに啼きかはし椿から椿・こゝにふきのとうそこにふきのとう・もう郵便がくるころの春日影・ひつそりとしてぺんぺん草の花ざかり大山さん樹明君に...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「其中日記」
...・山のすがたが三十五年の夢(山口にて)・ここで死にたい萱の穂の散りてはとぶ・山あをあをと死んでゆく・みんな死んでしまうことの水音・ぽとりと青柿が炎天の音・しがないくらしの...
種田山頭火 「其中日記」
...・月がまろい夜を逢うて別れた・百舌鳥がてつぺんに落葉しはじめた樹・秋草ふみつつかりそめの犬とあとさき・月夜の柿がばたりぽとり(改作)・木の葉ちるや犬もわたしもおどろきやすく・サイレン鳴ればさびしい犬なればほえ・ヱスもわたしもさびしがる月のこうろぎも九月廿四日秋晴...
種田山頭火 「其中日記」
...・こどもはなかよく椿の花をひらうては・せんだんの実や春めいた雲のうごくともなく・椿ぽとり豆腐やの笛がちかづく・人間がなつかしい空にはよい月やつぱり出てゐる蕗のとうのおもひで(改作)井師筆額字を凝視しつつ・「其中一人」があるくよな春がやつてきた(改作)二月二十一日なか/\寒い...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「其中日記」
...ぶらぶら歩いていると、ぽとりぽとり、いつ咲いたのか、頭上ゆたかに、素朴な情熱の花がかがやいている...
種田山頭火 「三八九雑記」
...一滴か二滴ぽとりと落した...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...あおい松の葉がぽとりと降って来た...
本庄陸男 「石狩川」
...玲子はモウぽとりぽとりと涙を滴(た)らしながら普通(ただ)さえ狭い肩をすぼめて...
夢野久作 「継子」
...一点ぽとりと滴り落ちて来た天の美禄を承けた気持ちで...
横光利一 「夜の靴」
...そして、抱き起された為か、その傷口から滾(こぼ)れ出る血潮が、恰度、その深紅の水着が、海水に溶けたかのように、ぽとり、ぽとりと、垂れしたたっていた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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