...私はまるで傀儡(くぐつ)の女のようにこの恥しい顔をあげて...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...どうしてそういう病気が伝染するのかはまるでわからなかったのですから...
石原純 「ルイ・パストゥール」
...おれはまる二日の間というもの...
江戸川乱歩 「疑惑」
...本當にはまるでありやしない...
太宰治 「津輕地方とチエホフ」
...そして少しでもお銀から聞いていた話に当てはまるような家が見つかったら...
徳田秋声 「黴」
...科学者の人生も亦その通則にあてはまるものなのである...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...しかもその現在のために苦しんでいる自分にはまるで気が付かなかった...
夏目漱石 「道草」
...髪の毛はまるでかもじ屋の看板のように房々として...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「えゝ随分いゝお月様でしたわ、もう五時間もあの天窓にぶらさがつてゝくれるので、ミツシヱルと随分色んな空想したんですよ、ミツシヱルは長い事卵子を食べないので、卵子の事ばかり云つてゐるし、私はまるで、金貨のやうだつて思つたんです」「今日はミツシヱルはモデルにまはらないの‥‥」「えゝ廻つたところで、一週間に五時間ぐらゐぢや、歩かないで寝てた方がいゝわ、とても、このパリもモデルが多くて、――今ぢや淫売とモデル兼業の女も多いし、とてもとても食つて行けさうもないの」女は退屈さうに長い十本の指を灰色に近い金髪の頭の中に入れてゴホンゴホン咳をしだした...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...その事件とはまるで関係なしに...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...これはまるで嘘(うそ)のような景色であった...
原民喜 「廃墟から」
...どれにでも当てはまるような返事をしてあげたいの...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...母が想像していたのとはまるで反対の手紙が来た...
宮本百合子 「菊人形」
...その家をたづねたことはまるでなかつた...
室生犀星 「命」
...それがどんな場合にもぴったり当てはまることは確実なのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...土地の人とはまるまる疎遠(そえん)でもなかった...
柳田国男 「山の人生」
...あのポンポンという明るい音とはまるで違った...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...青白き三人の童子はまるまると肥えし肩に緑玉の水盤を支へたり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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