...「何しろ学校で袴(はかま)と草履(ぞうり)をはかないのは俺だけだ...
有島武郎 「星座」
...自分に対するはかない慰さめであつた...
伊藤野枝 「貞操に就いての雑感」
...自分もとうとうこんな老爺(ろうや)の慈悲を受けるようなはかない身の上の男になったか...
太宰治 「新釈諸国噺」
...これこそ貪婪な美食主義のはかない片鱗ではなからうか...
太宰治 「道化の華」
...はかないなぐさめのこころを味はひながら...
辻村もと子 「春の落葉」
...このはかない行商の一人に頭蓋骨(ずがいこつ)の異常に大きな福助のような子がいた...
寺田寅彦 「物売りの声」
...はかない偶然性への戯れの驚き...
中井正一 「リズムの構造」
...寝てはまた起きて旅から旅をうろつく彼等の生活もはかないものだが...
中里介山 「大菩薩峠」
......
野口雨情 「沙上の夢」
...氏がどんなにその別れをはかないものに思ったことか!「ひと月たてばまた会えますわ...
橋本五郎 「地図にない街」
...また別れては別のひとにめぐりあうと云うようなはかない日が過ぎてゆく...
林芙美子 「淪落」
...身も魂も投げ出して追憶の甘き愁(うれ)いに耽(ふけ)りたいというはかない慰藉(なぐさめ)を弄(もてあそ)ぶようになってから...
水上滝太郎 「山の手の子」
...遠ざかり行く子供の声をはかない別れのように聞きながら一人で坂を上って黒門をはいった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...注射も今は只束の間の命を延ばして行くはかない仕事になって息は益々苦しく小さい眼はすべての望を失った色に輝いて来た...
宮本百合子 「悲しめる心」
...字ははかない、力のないようにも見えるものであったが、品がよくて感じの悪くないのを見て源氏は安心した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...我々のはかない・壊(こわ)れやすい・諸道具も...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...はかない哀愁の影でなくて何であろう...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...はかないものよ、汝の名は旅芸人なりと、ふだんの道化役(どうけやく)が道化たことばも出ないで、ふさぎ込んでいるさまも哀れです...
吉川英治 「江戸三国志」
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