...自分等もぬくい――北海道の雪はしめり氣がないから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あるだけの酒飲んで別れたが(星城子君に)眼が見えない風の道を辿る・十一月二十二日のぬかるみをふむ(歩々到着)・夜ふけの甘い物をいたゞく(四有三居)傷づいた手に陽をあてる晴れきつて真昼の憂欝はじめての鰒のうまさの今日(中津)ボタ山ならんでゐる陽がぬくい・ひとすぢに水ながれてゐる・重いドアあけて誰もゐない枯野...
種田山頭火 「行乞記」
...熱いものをすゝる・食べるもの食べつくしてひとりとりわけてうつくしい葉ぼたんの日ざし・ぬくい夜の赤児へ話しかけてゐる一月七日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...・霜にはつきり靴形つけてゆく小春日の畦をつたうてやつてきた・冬夜の瞳ぱつちりうごく火の番と火の番とぬくい晩である・あたたかなればよもぎつむ一月廿四日さむい...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「其中日記」
...・こゝにふきのとうひらいてゐる・あるけばふきのとう(追加)・やつとふきのとう・藪椿、号外のベルがやつてくる・春がきた山から大きな木をはこぶ二月廿四日また雨だが、ぬくい雨だ、すつかり春めいた雨だ、油虫がどこからかのこ/\はいだしてきたほどだつた、午後は風がでゝ、だん/\晴れてきた...
種田山頭火 「其中日記」
...ぬくいといふよりあたゝかいといふ言葉がそれをよく表現する...
種田山頭火 「其中日記」
...ぬくい/\うれしい/\だ...
種田山頭火 「其中日記」
...・ほほけすすきもそよがないゆふべの感傷が月・或る予感、はだか木に百舌鳥のさけぶや・灯のとゞく草の枯れてゐるSよさようなら・ああいへばかうなる朝がきて別れる(改作)石鴨荘草山のしたしさを鶯もなき・月のあかるい水くんでおく・窓からいつも見える木のいつかもみづれる月あかり・月のひかりの、はだか木の、虫のなくや・ひとりで朝からけぶらしてゐる、冬・もう冬空の、忘れられてあるざくろの実・糸瓜からから冬がきた・おちついてゐる月夜雨降る・月の落ちた山から鳴きだしたもの十一月十八日雨はれて曇、ぬくい日だ、また雨...
種田山頭火 「其中日記」
...今年の冬は何といふぬくいことだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...どうして今年はこんなにぬくいのだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...雨も春とほく白波が見えて松のまがりやう裸木に一句作らしたといふ猿がしよんぼりぬくい雨となる砂の足あとどうやら晴れてる花ぐもりの水平線・春の海のどこからともなく漕いでくるこれから旅も...
種田山頭火 「旅日記」
...夜は雨になつてぬくい/\...
種田山頭火 「松山日記」
...ぬくいぬくいなあ...
壺井栄 「大根の葉」
...「なんだ、ちっともあったかくないね」「はっは、そうかい」「ぼくたちの先生のポケットは、もっとぬくいよ...
新美南吉 「うた時計」
...ひなたよ、ひなたよ、みんなぬくいよ...
新美南吉 「ひなた」
...だらだらと生ぬくいものが流れ落ちた...
火野葦平 「花と龍」
...「いなごはぬくいところが好きじゃけれ大方ひとりでおはいりたのやろ」のセリフが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
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