...抛り出された狐は、なぞへの斜面を、転げるやうにして、駈け下りると、水の無い河床の石の間を、器用に、ぴよいぴよい、飛び越えて、今度は、向うの斜面へ、勢よく、すぢかひに駈け上つた...
芥川龍之介 「芋粥」
...給料なぞは下(くだ)さらなくともたくさんです...
鈴木三重吉 「黄金鳥」
...靴や傘やガラスのぬけおちた眼鏡のふちなぞがおいてあった...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...赤面しながら訥々(とつとつ)として口籠っている私なぞには...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...死ぬのが恐ろしかったりあわよくば逃亡しようなぞと考えていたからでは毛頭もない...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...最後に三本足で歩くものは何かというなぞの発明された時代には...
寺田寅彦 「ステッキ」
...そうして度度(たびたび)うなされては私に呼びさまされて ありがとう(国風にがの字にアクセントをつけて) 牛にぼわれた(追われた) なぞといった...
中勘助 「母の死」
...少しく冷たくみえることは煙草を喫ふなぞといふことは世界的幸福である...
中原中也 「雲」
...元村なぞに泊るよりも長驅して此岡田村に來た方がいゝと思ひます...
林芙美子 「大島行」
...みんなぞろぞろやつて来ました...
村山籌子 「お猫さん」
...己れを或る種の紅毛人になぞらへて見たりしたのであつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...」「勝(かつ)は何處も見物なぞしたうない...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...こうしてみると我々の政治論なぞは随分迂闊千万なものですな」中川「アハハ失礼ながら今の世の議論は大概迂闊ならざるはなし...
村井弦斎 「食道楽」
...5105なぞとや仰する...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...江戸前の風味なぞはあまりかえり見ない...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...草原なぞの到るところに葬ることが出来るが...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...大罪を犯すに到った聖僧の懺悔譚(ざんげものがたり)』なぞいう奇怪な実例が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...これには引っかけられる側の自惚(うぬぼ)れや色気や意志の弱さなぞもありましょう...
夢野久作 「鼻の表現」
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