...知らず識らず造り出した幻ではなかつたのでございませうか? わたしは未(いまだ)にどうかすると...
芥川龍之介 「雛」
...どうかするとぐらぐらとゆれるやつがある...
芥川龍之介 「槍が岳に登った記」
...どうかすると常人ではとても想像も出来ない位に小心で...
大阪圭吉 「坑鬼」
...「いま時利休が賞め言ひとつ申さぬものを……」主人はどうかすると興奮しさうになる自分の心を...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...どうかすると彼の書く論文の中には...
相馬泰三 「六月」
...どうかすると、彼は千手丸の手紙を返してしまったのが、惜しいような気持がした...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...第三線の初めごろの事がらがどうかすると第二線内の事がらの中に紛れ込んで混同する恐れがある...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...お銀はどうかすると...
徳田秋声 「黴」
...どうかすると、狂憤のあまり、ただもう息がつまりそうになった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...併し惜しい事には例の激怒がどうかすると発する...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...どうかすると、世間には竜之助のような男を死ぬほど好く女があります――好かれる方も気がつかず、好く方もどこがよいかわからないうちに、ふいと離れられないものになってしまう...
中里介山 「大菩薩峠」
...小関はすなわち逢坂(おうさか)の関の裏道であって、本道は名にし負う東海道の要衝であるにかかわらず、この裏道には、なお平安朝の名残(なご)りをとどめて、どうかすると、深山幽谷に入るのではないかと疑われたり、義朝(よしとも)一行が落武者となって、その辺から現われて来るのではないかと疑われるような気分にもなります...
中里介山 「大菩薩峠」
...「尤(もっと)もな疑いだが、太鼓は風呂敷を被せると音が鈍くなって遠くの方で叩くように聞えるし、笛は上手になると、強くも弱くも自由に吹けるだろう」「なるほどね」「それから、あの経蔵には、入口が一つと、窓が二つある、その一つ一つを開けたり閉めたりして囃(はや)すと、音は酒井様のお邸(やしき)に響いたり、佐竹様の木立に響いたり、どうかすると、大川の方へ抜けたり、いろいろの方角に聞えるんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...だが、どうかすると、彼はまだ自分が何処にいるのか、今が何時なのか分らないぐらい茫然としてしまうことがある...
原民喜 「遥かな旅」
...だが、どうかすると、それは血まみれの亡者の面影に見入つて、キヤツと叫ぶ最後の眼の色になつてゐる...
原民喜 「火の唇」
...どうかすると夜を明すこともあつた...
牧野信一 「風流旅行」
...晩の十二時ごろからどうかすると明方(あけがた)の一二時ごろまで...
室生犀星 「幻影の都市」
...どうかすると容貌の皺の底からにじみ出てくる...
吉川英治 「平の将門」
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