...ともかく私はこのことを忘れるわけにはゆかない...
石原純 「左千夫先生への追憶」
...かの怪声が決して吾人の口より発せられざるものならばともかく...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...命は、ほとんどとほうにくれておしまいになりましたが、ともかく、ようやくのことで山をおくだりになって、玉倉部(たまくらべ)というところにわき出ている清水(しみず)のそばでご休息をなさいました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...ともかくもふらふらするくらいですむが...
高村光太郎 「山の秋」
...ともかくもこのような考えを頭において浮世絵の写真を見て行くのも一つのおもしろい実験にはなるだろう...
寺田寅彦 「浮世絵の曲線」
...ともかく神尾が引っぱり廻して酒の相手をさせるだけのこたえはありそうな折助であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...「先生が戻って来ましたよ」「たしかに、そうでしたよ」二人が、はじめて立ち上ると、その時、またも表でホトホト叩き、「ともかくも、ここをあけて下さい」久助とお雪とは表口へ走り出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...全くふりのお客らしいが……出てみよう」ともかくも...
中里介山 「大菩薩峠」
...ともかくわたくしはこの通を真直ぐにまいってみることにいたしましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...世評の好惡はともかくあれ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...しかしそれはともかくとして...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...さむざむと霧(きら)ふアスファルトのむかふに、明るい賑やかな一角がぽつんと盛り上ってゐて、ともかく、そこには憩へる場所がありさうだった...
原民喜 「秋旻」
...ともかく君は感じやすいものだから...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...石田氏はベッドのそばに立って、見おろすようにして、女のひとの泣くのをながめていたが、このたびの千々子さまの失敗を思いあわせて、身につまされたらしく、「泣くのはやめなさい……などといってもわからないだろうが、ともかく、気を落着けて、家へ帰ることです...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...ともかくトンガラシが左う云ふんだからひとまづ仮面(めん)をかむつてお辞儀をしておくんだな...
牧野信一 「月あかり」
...ともかくも中川の同胞(きょうだい)を説き付けて充分に力を尽すべしとその夜はお登和嬢の手に成れる料理を飽食(ほうしょく)して大原を帰し...
村井弦斎 「食道楽」
...護国寺が尻押しをしているかいないかはともかく...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...しかし対等の和談ならば」と、いい、また、充分心のうごいた証拠には、「ともかく、光秀と会見してみての上で」と、まで応じる色を見せて来た...
吉川英治 「新書太閤記」
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