...そして、つまるところ、このかたつむりをふみつぶすといふことは、大きな罪ををかすやうな気がしてなりません...
鈴木三重吉 「かたつむり」
...つまるところこういう民衆の力によって行われたといってもよい...
津田左右吉 「日本歴史の特性」
...つまるところ二名の人物をこの家に連れてきた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...つまるところはですナ...
徳永直 「白い道」
...つまるところ同じことなんです...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...小林秀雄は、つまるところは、詩人なのかもしれない...
中谷宇吉郎 「千年の時差」
...つまるところはね」秋川が献上の帯に白足袋という装(なり)で玄関へ出てきた...
久生十蘭 「あなたも私も」
...つまるところあたしは女の標準から六十度ばかり右のほうへずれている...
久生十蘭 「だいこん」
...つまるところ、この臼砲は厖大に仕立てることによって、故意に諸元を狂わしてあるが、それは臼砲の効用を好戦的な日本人に知らせたかったからだと、咄嗟(とっさ)にオランダ人の心情を看破した...
久生十蘭 「ひどい煙」
...つまるところ、わたくしたちの年齢というものは、わたくしたちの頭と心がどう感じているか、その程度できまるものなのですから、時と場合によっては、白い髪の毛のほうが、悪く言われる修正よりも、もっとほんとうの意味のうそになることがあろうというものです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...つまるところ私は二階から土蔵の中までの掃除をしなければならなかったのですもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...つまるところまにあわない...
山本周五郎 「百足ちがい」
...「若気の、血気ざかりの、冗談じゃない、片方は貧しい弱い人たちですよ、それを武士たる者が刀で脅やかしたり、はらいせに十人も集まって、私に向って来るならいいが、なんの後盾もない弱いかれらをやっつけ、大けがをさせたうえに職業まで奪う、血気ざかりもくそも、こいつはごく悪質ですよ、こんなやつらと折合ってゆくなんてまっぴらです」「それはわかりましたわ」おたよはやはり含み笑いをしたまま、「――お返しになる謝礼のお金は、どうなさいましたの」「それなんですがね、ええ、おたよはもう怒らないと思うんだが、いつか許しを得た筈なんだが、だって小室さんへ返すのは一両二分だけれども、けがをして寝ている者がいますからね、五人とも家族が多くて、食うに困ってる状態なんですから、それはおたよもいってみればわかると思うんだが、じつに気の毒で哀れで、なんです、どうして笑うんです」「仰しゃればよろしいのに、賭(か)け試合をなすったのでしょう」「つまり、その、つまるところ、そうなんです」彼は赤くなり、気まずそうに笑った、「念流の道場をやっている、津村九郎兵衛という者がいるんです、そこへいって少しばかり強引に申込みました、承知しそうもなかったが、ちょっと怒らせましてね、ふしぎなことに道場のあるじなんて者は、怒らせると賭け試合をやるんですよ、ええ、それはふしぎなくらいです」「小室さまはお受取りになりまして」「受取らないというので置いて来ました、食費や世話になった代もありますからね、婿にならない以上、そういうものも払わないと義理が悪いでしょう」「婿にならないって、なんのことですの」「なんのことって、千草というお嬢さんを私の、いや私をその、……ええと、ああ茶店がある」伊兵衛はなにやら慌てて、向うを指さした、「――ちょっと休みませんか、少し早いが午の弁当をついでに」「いいえ、今のお話をうかがいますわ」おたよは首を振って、屹(きっ)と良人の顔を見た、「その千草とか仰しゃる方は、小室さまのお嬢さまなのですね、そしてあなたがその方の、お婿さまになるというわけなのですか」「いやそれが、それはですね、小室さんがそういう気持でいただけで、私はまるで」彼はまた赤くなり、吃った、「――まるっきり、私は知らなかったんです、本当です、だから、それがわかったので、ますますいられやしない、で、すぐに出て来たんです」「どういう方ですの、そのお嬢さま、おきれいだったんでしょ」「冗談じゃない、てんで、そんな、……要するにそういうわけで、すぐとびだしてですね、それから夜道をかけて五人の家をまわりました、寝ているのを起こして、金を配りましてね、かれらは泣いていましたよ」「年はお幾つぐらいですの、そのお嬢さま」「本当にかれらは泣きましたよ、権六の家では粥(かゆ)を喰べてゆけと云いました、泊ってゆけと云った家もありましたがね、さあ来ました、この茶店でちょっと休みましょう」伊兵衛はこう云うと、さっさと道端の茶店へはいっていった...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...つまるところ蔵元屋の家内中がキリキリと引締まっておりまする...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...つまるところ拙者の不覚じゃわい……」「勿体のう御座りまする」「……しかし供(とも)を連れた奥方姿というと話があまり違い過ぎるでのう...
夢野久作 「斬られたさに」
...つまるところ、そこに神様の思召(おぼしめし)が働いているに違いないと思うんだが、ドウダイ議員諸君……」議員諸君が顔と顔を見合わせ始めた...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...つまるところ、あると云えばあるような、無いと思えばないような位のところが最も常識的な考え方であろうと思われます...
夢野久作 「鼻の表現」
...このお城の命は、つまるところ、お台所から上げる食物の如何にある...
吉川英治 「新書太閤記」
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