...明けていうと、活東のその柳橋の番傘を随筆に撰んだ時は、――それ以前、糸七が小玉小路で蛙の声を聞いてから、ものの三十年あまりを経ていたが、胸の何処(どこか)に潜み、心の何処にかくれたか、翼なく嘴なく、色なく影なき話の種子は、小机からも、硯からも、その形を顕(あら)わさなかった、まるで消えたように忘れていた...
泉鏡花 「遺稿」
...それ以前の御註文の四...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...ただし、楠公没後のものはしようがないが、それ以前、鎌倉時代より元弘年間にわたったものなら参考にして差(さ)し支(つか)えなかろうというので、楠公の服装はその辺のものを材料にして決めたようなことでありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...一体人間はそれ以前にローマについてまたはその後のマホメット教国についてあらゆる事を知るまでにどうしてビザンティンについての色々の事を知る事が出来ますか? 大概のアラビア芸術は昔のビザンティン芸術でした...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...それ以前には花を見るつもりで行っても花よりは花を見に来ている人間が気になって仕方がなかった...
寺田寅彦 「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...付け句を構成するためにはそれ以前に考慮さるべき若干の制約が規定されている...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...それ以前、湯槽(ゆぶね)を御案内いたしましょう」北原賢次が、兵馬の疲れを見て取って、またも自分が案内に立ちました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ以前からの考えであろうということであった...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...それ以前はこれらの仮名はfafifufefoと発音されていた...
橋本進吉 「駒のいななき」
...それ以前の手法を受け繼いでゐる...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...それ以前においても日本人はすでに数...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...そういえば、貸座敷のあとは病院となるに適したらしく、根津大八幡のあとも現在は何とか病院となったそうだが、それ以前には、貸席とも料理屋ともつかないものとなった事がある...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...それ以前には、腰にも、わき腹にも、またどこにも、それらしいきざしは少しも感じなかった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それ以前からあまり登りおりする者はないようであった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...お聞きおよびでなかったかの?」「なにをです」「それ以前...
吉川英治 「私本太平記」
...高野川へお身を投げたそれ以前の?」「訊いて給もるな」とつぜん...
吉川英治 「私本太平記」
...それ以前の巨木の焦げた根コブを残していて...
吉川英治 「随筆 新平家」
...半自叙伝を書けと望まれたのはそれ以前からの事である...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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