...ぬれたかとばかりからだにそぐって底光りのする紫紺色の袷(あわせ)...
有島武郎 「或る女」
...おもてにいる少年探偵団員のところへいそぐのでした...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...その拍子に女の体にしめた香水の香が省三の魂をこそぐるやうに匂ふた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...――・寒い雲がいそぐ(下山)二月六日陰暦元旦...
種田山頭火 「行乞記」
...城郭や帆船のカットバックが少しくど過ぎてかえって効果をそぐ恐れがありはしないか...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...帰りをいそぐ娘もほつと息をついて...
永井荷風 「雪の日」
...何取(なにとり)いそぐ事(こと)でも無(な)い...
樋口一葉 「われから」
...黄色と黒色との色調がそぐはぬので「ほくろ」があれば顔が却つて醜く見えるのである...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...この句夏季にはあらねど水打ちそそぐといふは夏季に最も適切なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...朝風に若菜売る児の声すなり朱雀(すざく)の柳(やなぎ)眉(まゆ)いそぐらむこの歌は十首中にては第一と存候...
正岡子規 「人々に答ふ」
...もしいそぐならばその人に紹介してもよいということですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...けれど閉めた襖の面をうってなお燦々とふりそそぐ 光の音は声ともなって私をとらえる月の隈なさをはじめてわたしにおしえたその声が今また そこにあるかのよう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(c)前文にそぐわなくても...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...味噌倉(みそぐら)か...
吉川英治 「私本太平記」
...道誉の意志にそぐわぬ色を見て戸惑った...
吉川英治 「私本太平記」
...先をいそぐ悲壮な人馬の群れが彼方の闇で直義一人を待ちわびていた...
吉川英治 「私本太平記」
...まえの不覚をそそぐため...
吉川英治 「神州天馬侠」
...とほく来てこよひ宿れる海岸のぬくとき夜半を雨降りそそぐ信濃駒ヶ嶽の麓にて...
若山牧水 「なまけ者と雨」
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