...鍛冶屋さんはすっと立ちあがった...
海野十三 「空襲警報」
...もう一度郊外の道をすっとばしていった...
海野十三 「一坪館」
...或る晩、私とふたりで、その喫茶店へ行き、コーヒー一ぱい飲んで、やっぱり旗色がわるく、そのまま、すっと帰って、その帰途、兄は、花屋へ寄ってカーネーションと薔薇(ばら)とを組合せた十円ちかくの大きな花束をこしらえさせ、それを抱えて花屋から出て、何だかもじもじしていましたので、私には兄の気持が全部わかり、身を躍らしてその花束をひったくり脱兎(だっと)の如くいま来た道を駈け戻り喫茶店の扉かげに、ついと隠れて、あの子を呼びました...
太宰治 「兄たち」
...すっと足が引込んだ...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...すっと一筋の蜘蛛の糸が彼の眉のあたりに懸った...
豊島与志雄 「囚われ」
...間男(まおとこ)と盗人(ぬすっと)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...しぶきのように飛び散って小さい虹(にじ)がすっと映るのでした...
新美南吉 「手袋を買いに」
...鼻がすっと高くってしおのある眼だった...
長谷川時雨 「神田附木店」
...白くたちこめる湯気の中に、背に彫(ほ)られた恐しい般若の面が、すっと消え、ちょっとの間、妖しい雰囲気がただよった...
火野葦平 「花と龍」
...杉本は窓の外に身体を外(そ)らして雲のすっとんでいる怪しいこの空模様が川上忠一にこんな話題を憶(おも)い起さしたのか...
本庄陸男 「白い壁」
...すっと立ち上ったお初...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ジョバンニを見てくすっとわらいました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...ああいうのを昔のことわざでぼうせき(望蜀?)の欲っていうだ」「銀の野郎もまた」と云って倉なあこはくすっと笑った...
山本周五郎 「青べか物語」
...面白いと云っては悪いだろうが」半太夫はくすっと笑った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...ぬすっとだとか自身番へ渡すなんていうのはあんまりだ...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...すっと一頭の鹿が出て来た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...実は盗人(ぬすっと)の寝泊りする家で...
吉川英治 「江戸三国志」
...たった一声で、すっと、中から開いた...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
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