...ここかしこには暗い影になって一人二人の農夫がまだ働き続けていた...
有島武郎 「親子」
...ここかしこ、榛實(はしばみ)の殼、また乾反(ひそ)る伏葉のみだれ、小木の枝(え)に鵐(しとど)竦(すく)みて、――あな、ここは悲びの邦(くに)、鈍色(にぶいろ)の住家ならまし...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...地図のここかしこは破れて...
太宰治 「地球図」
...などと言いつつ桜の花びらの吹溜りのここかしこに手をつっこみ...
太宰治 「花吹雪」
...此処彼処(ここかしこ)といろいろに捜し求めて見れば見る程...
谷崎潤一郎 「秘密」
...ここかしこに小さな局部的暴動が起こっていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...看護婦の払塵(はたき)の声がここかしこで聞こえた...
夏目漱石 「行人」
...それは書中ここかしこに見える鉛筆のあとでたしかである...
夏目漱石 「三四郎」
...ついこの間まで郊外に等しかったその高台のここかしこに年々(ねんねん)建て増される大小の家が...
夏目漱石 「明暗」
...山野(さんや)のここかしこに...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...私は不意とこの村のここかしこの谷あいに...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...ここかしこに短い章句や説明用の註を加えただけである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...今日ここかしこにあって社会科学がマルクス主義によって着々業績を挙げつつあるとき...
三木清 「科学批判の課題」
...落合敬介漂流のうち、ここかしこ、いづくもわたくし相しれる所へ参られ候は奇也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...またここかしこなる断崖(だんがい)の白き処を照せり...
森鴎外 「みちの記」
...ここかしこにたちおこる修羅(しゅら)の巷(ちまた)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...なぜならば、ここかしこで、私語騒然(しごそうぜん)としていた者が、いつとはなく口をつぐんで、信長の顔と、光秀の方とを、見くらべていたからである...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここかしこの短檠(たんけい)や燈台の灯は煤(すみ)をふいて暗く揺れ...
吉川英治 「源頼朝」
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