...おつとりと高くすんだ空には少しふつり合ひな位に...
伊藤野枝 「白痴の母」
...くすんだ緑玉(りよくぎよく)の飾をした女(をんな)...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...そして幾分くすんだやうな色を考へるけれども...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...先づ内地を出てくすんだ藍色の海を一日半ほど行くといふと...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...あれは御承知の通り時代のついたくすんだ色合で...
江戸川乱歩 「心理試験」
...くすんだ緑色の島々...
田中英光 「オリンポスの果実」
...ロンドンのくすんだ黄や茶や灰といった色にうんざりした目には...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...まだ若い割にくすんだ洋装をした婦人――いや娘と言った方がいいかも知れません――兎に角...
野村胡堂 「死の予告」
...くすんだ電車のなかがぱつと明るくなるやうな思ひ思ひに風變りなかつこうをしてゐた...
林芙美子 「秋果」
...くすんだ色の浜縮緬(はまちりめん)の座敷着に翁格子(おきなごうし)の帯をしめ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...くすみにくすんだ大玄関の式台と...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...そのくすんだ黒つぽい服裝が...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...壁のくすんだ掛毛氈(かけもうせん)...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...天井の低い大部屋、くすんだ外壁、照明は暗く、真鍮燭台(しんちゅうしょくだい)にろうそくが二本とわびしい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...いろいろに工夫して少しくすんだ赤とか...
正岡子規 「病牀六尺」
...くすんだ様な部屋の中に...
宮本百合子 「草の根元」
...緑(みどり)の褪(さ)めた、砂と塵挨(ごみ)だらけの、水気(みづけ)のない、いぢけた、倭(ひく)い椰子の木立、木伊乃(みいら)にした、動(うご)かない天狗猿、死(し)んだ、みすぼらしい、ちつぽけな鰐、くすんだ、黄土(わうど)とCHOCOLAT(シヨコラア)の色をした廉物(やすもの)の、摸造の爪哇(ジヤワ)更紗、まだ一度も生血(いきち)を嘗めず、魂(たましひ)の入らぬ、ひよろ長い毒矢(どくや)の数々(かず/″\)……え? これが大正博覧会の南洋館?最初の二つの室(しつ)を観て歩いて、おれは思はずおれの子供等に言つた、「こんなぢやない! こんなぢやない! 南洋は!」そして、おれは新嘉坡を想ひ出した...
與謝野寛 「南洋館」
...その晩は何事もなくすんだ...
吉川英治 「私本太平記」
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