...僕は或時海から上(あが)り...
芥川龍之介 「僕の友だち二三人」
...三里の余も離れた陸地は高い山々の半腹から上だけを水の上に見せて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...窓から上体を乗出しながらそれに眺め入った...
有島武郎 「クララの出家」
...我々は昼飯を済ませてから上陸することになった...
石川欣一 「比島投降記」
...新橋から上野まで馬車鉄が走っていたころの東京である...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...ほんの数分間前に池から上げられて引きずられたと見え...
大阪圭吉 「死の快走船」
...――浅草から上野へ...
種田山頭火 「旅日記」
...それから上野(かうづけ)の一部を歩いて...
塚原蓼洲 「兵馬倥偬の人」
...同じ道に斉興公の供の中へ加わって、京都の藩邸へ着いた月丸は、湯から上ると、庭へ出て、月を眺めていた...
直木三十五 「南国太平記」
...「どちらでございます」「かまわないから早く来て下さいよ」「こちらから上ってもよろしうございますか」「どこからでもよいから...
中里介山 「大菩薩峠」
...親分は浅草から上野一円と聴くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日曜日のことでした、雄二の兄と兄の友達が鶴小屋の前で、鶴をスケッチしていました、雄二はそれを側で眺めながら、ひとりでこんなことを考えました……何んだい、僕だって描けますよ、鶴だって、犬だって、山の絵だって、駅だって、街の絵だって、みんな描けます、僕の眼にちゃんと見えるものなら、それをそのとおり描けばいいんだから、だからなんだって描けますよ、眼に見えないものだって、美しい美しい天国の絵だって、それもそのうち描けますよ雄二はだんだん素晴らしい気持になっていましたが、ふと何だか心配になりました、ほんとかしら、ほんとに僕は描けるのかしら……ふと、雄二はまだ明日の宿題をやっていないのを思い出しました、急いで家に戻って、机の前にすわりました、めんどくさい計算なので、雄二はすぐにいやになってしまいました、鉛筆をけずりながら、また雄二はひとりで、こんなことを考えました……いやになっちゃうな、こんな宿題なんか、僕の頭と兄さんの頭ととりかえっこすれば、すぐ出来るのに、首から上だけ、そっと、とりかえできないかなあそれでも、雄二はしぶりしぶりその夜、宿題をしあげました、その夜、雄二はこんな夢をみました、算数の試験でした、雄二は教室の机について、紙と鉛筆をもっています、試験の問題が不思議にすらすらとけてゆきます、雄二は頭のところが自分の頭ではなくて、兄の頭になっているのが、ちゃんと分ります、でもそれは他人にはまるでわからないのです、雄二はいい気になって早速、全部の問題を解いてしまいます「雄二君、素敵だなあ、この問題が全部できた人はこのクラスには君しかいなかったよ」先生からかえしてもらった答案をもって、雄二は家にもどります、雄二はその成績をお母さんに見てもらおうと思います、でも、もし兄がほんとのことを知っていたら「何だい、僕の頭借りたくせに」と兄はおこるかもしれません、そこで雄二は成績をそっとかくすようにして、部屋の入口から中をのぞいてみましたすると驚いたことに、兄は寝床のなかで、ぐうぐう眠っていました、が、もっと驚いたのは、兄の首から上は雄二の頭とそっくりなのです、それを見ると雄二は急に腹が立ちました「いけない、いけない、僕の頭とっちゃいやだい」雄二は猛烈な勢いで兄にとびついて行きました、そのひょうしに雄二は眼がさめました、雄二の頭は隣に寝ている兄の頭にごつんと、ぶつかったのでした...
原民喜 「二つの頭」
...これから上総へ顎十郎を探しにまいるつもりなのでございます...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...兵隊も鉄砲に剣をつけてあとから上って行きました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...風呂(ふろ)から上ったお可久と...
吉川英治 「魚紋」
...半刻(はんとき)(一時間)の余も井戸の底から上へ呶鳴りつづけていたらしく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...国元の米沢から上ってきたわけだった...
吉川英治 「無宿人国記」
...濱から上つてその小徑を切る小徑がある...
若山牧水 「鴉と正覺坊」
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