...――どんなことになるだろう!こういう二重の懸念にかてて加えて...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...居酒屋や食べ物屋のごとく食(く)い気(け)で彼を釣ろうとするのもあるし、呉服屋や宝石屋のごとく洒落気(しゃれけ)でとらえようとするのもあるし、理髪店、靴店、裁縫店のごとく毛髪またはスカートでつかまえようとするのもあった、かてて加えて、これらの家の一軒一軒に訪問しようという、そして今時分いそうな仲間という、一段とおそろしい不断の誘惑があった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...なにしろ教育も変則なら、つきあいや習慣も風変りだし、しょっちゅう母親はそばにいるし、家の内情は貧乏(びんぼう)で乱脈だし、かてて加えて、若い娘(むすめ)の身で気まま勝手はしたい放題、それに、ぐるりの連中より一段も二段も上だという意識もあるし――というわけで、そうした一切合財(いっさいがっさい)があわさって、彼女のうちに、一種こう人を小馬鹿にしたような無頓着(むとんじゃく)さや投げやりな態度を、養ったのである...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...かてて加えて、どこの馬の骨だか知れないような相手と、わけのわからない場所をうろつくのは、だい嫌(きら)いだよと言い足した...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...その上にかてて加えて往々記者の認識不足が不合理の上に不自然の上塗りをするのであろう...
寺田寅彦 「ニュース映画と新聞記事」
...かてて加えてその相手は...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...かてて加えて、奇態な、まるで思いもかけぬいろいろの欲望が目ざめて、彼を苦しめるのであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...百は、百として、例の音羽屋まがいの気取った風で、当節の日を歩けないことをよく知っているだけに、そこは抜け目のない変装ぶりに、かてて加えて、のろまの清次という、この辺ではかなり売れている面(かお)なじみの相方を連れているから、こうしてすまして道中もできる趣向となっているようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...かてて加えての御勝手向不如意で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...かてて加えて真北に変った強風は...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...かてて加えて、芬蘭土(フィンランド)の大公爵と自称する、マルセイユ市の馬具商、当時、南海サン・マルセルの精神病院(メエゾン・ド・サンテ)在住のモンド氏なる人物に逅遇(かいぐう)...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...かてて加えて、干ばつが長引き、予備の貯水池も容赦なく引水された...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...かてて加えて人気の昇るに従ってつきあいは日一日と派手にしなければならない...
正岡容 「小説 圓朝」
...かてて加えてひどい大雨の晩だったので...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...それともほんとうにかてて加えて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...かてて加えて達の不仕末まで聞かされて...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...かてて加えてお染ゆう女...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...かてて加えて、士気のみだれより、とかく軍機も敵側へ漏れ、事態、憂慮にたえぬものがある...
吉川英治 「三国志」
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