...然し私の本能のかすかな声は私をそこから立ち上らせるに十分だ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...かすかに日の光を照りかえして赤ずんでいた...
有島武郎 「親子」
...」かすかな笑い声が...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...中でかすかな音でもすれば...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...かすかにふるえる羽ばたきと伝令のような急がしさをもって...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...かすかな微笑がその口辺にわずかに漂っていた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...かすかに見ゆる紛糾せる事理...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...床の上へ投げつけながら「出て行け! 行ってしまえ! おれは何をし出かすか分らんぞ!」と喚きつづけました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...かすかに笑ひました...
新美南吉 「かぶと虫」
...「それはさうしてあげたいのだが……」彼はかすかに泣くやうに呟くと...
原民喜 「火の唇」
...大王椰子(だいおうやし)の葉がざわざわとゆれて、遠くの方で、かすかに、海鳴(うみなり)の音がしている...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...肩の荷を卸して枕とししばし木の下にやすらひて松をあるじと頼めば心地たゞうと/\となりて行人征馬の響もかすかに聞ゆる頃一しきりの夕立松をもれて顔を打つにあへなく夢を驚かされて荒物担ぎながら一散にかけ去りける...
正岡子規 「かけはしの記」
...道は之の字巴の字に曲りたる電信の柱ばかりはついついと真直に上り行けばあの柱までと心ばかりは急げども足疲れ路傍の石に尻を掛け越(こ)し方(かた)を見下せば富士は大空にぶら下るが如くきのう過ぎにし山も村も皆竹杖のさきにかすかなり...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...私の胸はかすかにおど/\として来る...
水野仙子 「脱殼」
...まだかすかに残っているのである...
柳田国男 「母の手毬歌」
...神戸の森へ」老人の声はかすかに顫(ふる)えを帯び...
山本周五郎 「麦藁帽子」
...かすかにどれも少しずつ動くのが感じられた...
横光利一 「旅愁」
...かすかなる金枝玉葉(きんしぎょくよう)の家の名残りを保(たも)ち...
吉川英治 「新・水滸伝」
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