...「六年間只奉公(ただぼうこう)してあげくの果(は)てに痛くもない腹を探られたのは全くお初(は)つだよ...
有島武郎 「親子」
...お初穂をあげなければ見せないと宮司がいふ...
種田山頭火 「行乞記」
...朝起きてすぐお水(お初水?)をくむ...
種田山頭火 「行乞記」
...お初にお目にかかります...
中里介山 「大菩薩峠」
...わしだけお初穂をあげないでゐちや仏様に相すまぬと思ひましただ...
新美南吉 「百姓の足、坊さんの足」
...可愛らしいお初ちゃんは...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...イヤどうしても置かれぬとてその後は物言はず壁に向ひてお初が言葉は耳に入(い)らぬ体...
樋口一葉 「にごりえ」
...愚図愚図していられるお初ではない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初が、追ッかけるように――「いい加減なことをいって、待ちぼうけを食わせると、噛みつくから――」「大丈夫、わたしとても男――二言はない」あとを見送って、「あいつのいったことほんとうか知ら?」と、口に出してつぶやいた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...これで、おいらも、何の道楽もねえ堅造だが、酒だけは吟味(ぎんみ)しねえじゃあいられねえ方だ」「ほ、ほ、ほ、堅造が、あきれたよ!」お初、今度は、声を出して笑ったが、「そこまでいうなら、遠慮なく頂戴(ちょうだい)しようかねえ――」と、茶碗を受けて、なみなみと注がせて、裸火の光りに透かすようにして見たが、「ほんに、いい臭いだこと――いただきますよ」きゅう、きゅう、きゅう――、とたった三口で干して、突き出して、「どうぞ、もう一杯」「へえ、いけるんだねえ、姐御(あねご)も――」と、法印は、あざやかな呑みッぷりに敬服したように、お初つぁんが、姐御という尊称に変って、二つ目を差してやる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...こんなところで世を忍んでいるわけなのだよ」お初は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「ねえ、お初つぁん、おいらは、あの荒波にかこまれた、三宅の島をいのち懸けで抜け出して娑婆(しゃば)の風にふかれてこの方、こんなにいい気持に酔っぱらったこたあねえぜ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...日本中切ってのお初つぁんと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...だが、お初どの、そなたの方に――」と、意味ありげな微笑を、ニタリと送って、平馬――「そなたの方にひどう差(さ)し支(つか)えることがあらば――誰か、是非とも逢わねばならぬ人でも待っておッて――」「ま」と、お初は仰山(ぎょうさん)そうに、「そのようなこと、ござんすはずが――さきほども申したと存じますが、こんなお婆さんになってしまっては、かまってくれるものとてありませぬ」「その癖、役者ぐるいも、しようというのかな?」平馬は、ひとからみからんだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初は、小さな武器を、掌に躍らすようにして、持ち直すと、裾を乱し、緋(あか)いいろをこぼして佇(たたず)んだまま、片肌ぬぎの無造作(むぞうさ)さで、短銃を掴んだ手を、前に出して、片目を押さえて、狙いをつける...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...めっきり青ざめてさえ見えるお初が...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...唇を噛んでいるお初の胸の中は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...右手に円い金魚鉢を持ったお初が...
矢田津世子 「神楽坂」
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