...おのれ生意気な画板め...
巖谷小波 「三角と四角」
...誰人かおのれが心事をおしはかりえむ...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...己(おのれ)に向い弓を挽(ひ)くものを見出しぬ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...おのれと同じ水準に引下げようと熱中する批評家...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その姿が眼に入ると共に「おのれ」と...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...匈奴(きょうど)は己(おのれ)の不名誉を有耶無耶(うやむや)のうちに葬ってしまうこと必定(ひつじょう)ゆえ...
中島敦 「李陵」
...人々はおのれの耳を信じない...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...「もとの主人? うむ、覚えていたか? して、その名は、何と言うた? 忘れたかな?」「いえ、いえ、何で忘れましょう――あなたは、松浦屋の旦那さま」「ひ、ひ、ひ、なるほど、思い出したな? よくぞ思い出しおったな? その松浦屋、そなたの手引きで、奸(よこ)しまの人々の陥穽(おとしあな)に陥り、生きながら、怨念の鬼となり、冥府(めいふ)に下って、小やみもなく、修羅の炎に焼かれての、この苦しみ――おのれ、この怨み、やわか、晴らさで置こうや! 三郎兵衛、おのれ、いで、魂を引ッ掴んで、焦熱地獄へ――」と、いい表わし難い、鬼とも、夜叉とも、たとえようのない異形を見せて、長い鉤爪(かぎづめ)を伸ばして、つかみかかろうとするのを、「わあッ! おたすけ!」と、突き退けようとして、身じろぎのならぬ哀しさに、大声をあげた、その拍子に、やっと、目が醒めた、長崎屋だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...おのれに敵するものには抗抵すれども...
森鴎外 「舞姫」
...おのれ自らを治めるにさえあれほどの困難があるではないか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...おのれ斬って呉れるぞ」その侍は刀を抜いた...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...と同時に、その顔をのぞきこんで龍太郎も、おもわず声をはずませて、「はてな、呂宋兵衛は蛮人(ばんじん)の血をまぜた、紅毛碧瞳(こうもうへきどう)の男であるはずだが、こりゃ、似ても似つかぬただの野武士(のぶし)だ、ウーム、さてはおのれ、影武者であったな」「ええ、ざんねんッ」怒気心頭(どきしんとう)にもえた巽小文治(たつみこぶんじ)、朱柄(あかえ)の槍(やり)をとって、一閃(せん)に突きころし、いまあげた手柄(てがら)名のりの手まえにも、当(とう)の本人を引っとらえずになるものかと、無二無三に崖上(がけうえ)へのぼりかえした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「おのれも、賊の組か」前に立った人影の真っ向へ拳(こぶし)をかためて一撃をふり下ろすと、相手は、飄(ひょう)として、身をかわしながら、「てめえは、性善坊だな」「やや」「天城(あまぎの)四郎を忘れはしまい」「オオ、何で忘れよう、おのれとあっては、なおゆるせぬ」「邪魔をすると、気の毒だが、命がないぞよ、常とちがって、今夜の仕事は、大事な玉だ」見れば、一本杉の根もとには、彼らがここまでかついで走ってきた姫の体が、要心ぶかく縛(くく)りつけてある...
吉川英治 「親鸞」
...「おのれッ」といいざま...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...さっ……おのれが家の武蔵が帰って来たからには...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「おのれであろうが」と...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しかし人々が否応なしにおのれの欠点や弱所を自覚せしめられている時に...
和辻哲郎 「鎖国」
...国家の提供する資本とおのれの労働との協同によって生ずる果実を...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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