...思ふまいとしても...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...たのんだ金が出来ないとしてもそのままではいられない...
伊藤野枝 「出奔」
...ただれいがいとして...
海野十三 「怪星ガン」
...それはまだいいとして...
海野十三 「海底都市」
...きいきいとした金属的な音ではなく...
海野十三 「超人間X号」
...たとえ日本ほど天の恵みは豊かでないとしても...
高浜虚子 「俳句への道」
...それを申し上げませぬことにはこのはなしの鳧(けり)がつきませぬからごめいわくでも今しばらくおききをねがいとうござりますが父がお遊さんとそういうふうなふしぎな恋をつづけておりましたのはわりにみじかいとしつきのことでござりましてお遊さんの二十四...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...敦忠は限りもなく此のお方をいとしい人に思ったのであったが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...どうかして女のことをなるべく思うまいとして...
近松秋江 「狂乱」
...どこまでも忠実に付従して来るはいいとしても...
寺田寅彦 「案内者」
...あのような歩行をしなければならないとしたら実にたいへんである...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...幼い時代の可憐(いとし)げな自分の姿を追憶し...
徳田秋声 「縮図」
...ただ気紛れな遊びに過ぎないとしましても...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...れいれいとした声で話されるに...
長谷川時雨 「九条武子」
...何(なに)より先(さき)に私(わたし)が身(み)の自墮落(じだらく)を承知(しやうち)して居(ゐ)て下(くだ)され、もとより箱入(はこい)りの生娘(きむすめ)ならねば少(すこ)しは察(さつ)しても居(ゐ)て下(くだ)さろうが、口奇麗(くちぎれい)な事(こと)はいひますとも此(この)あたりの人(ひと)に泥(どろ)の中(なか)の蓮(はす)とやら、惡業(わるさ)に染(そ)まらぬ女子(おなご)があらば、繁昌(はんじよう)どころか見(み)に來(く)る人(ひと)もあるまじ、貴君(あなた)は別物(べつもの)、私(わたし)が處(ところ)へ來(く)る人(ひと)とても大底(たいてい)はそれと思(おぼ)しめせ、これでも折(おり)ふしは世間(せけん)さま並(なみ)の事(こと)を思(おも)ふて恥(はづ)かしい事(こと)つらい事(こと)情(なさけ)ない事(こと)とも思(おも)はれるも寧(いつそ)九尺(しやく)二間(けん)でも極(き)まつた良人(おつと)といふに添(そ)うて身(み)を固(かた)めようと考(かんが)へる事(こと)もござんすけれど、夫(そ)れが私(わたし)は出來(でき)ませぬ、夫(そ)れかと言(い)つて來(く)るほどのお人(ひと)に無愛想(ぶあいさう)もなりがたく、可愛(かわい)いの、いとしいの、見初(みそめ)ましたのと出鱈目(でたらめ)のお世辭(せぢ)をも言(い)はねばならず、數(かず)の中(なか)には眞(ま)にうけて此樣(こん)な厄種(やくざ)を女房(にようぼ)にと言(い)ふて下(くだ)さる方(かた)もある、持(も)たれたら嬉(うれ)しいか、添(そ)うたら本望(ほんもう)か、夫(そ)れが私(わたし)は分(わか)りませぬ、そも/\の最初(はじめ)から私(わたし)は貴君(あなた)が好(す)きで好(す)きで、一日お目(おめ)にかゝらねば戀(こひ)しいほどなれど、奧樣(おくさま)にと言(い)ふて下(くだ)されたら何(ど)うでござんしよか、持(も)たれるは嫌(いや)なり他處(よそ)ながらは慕(した)はしゝ、一ト口(くち)に言(い)はれたら浮氣者(うわきもの)でござんせう、あゝ此樣(こん)な浮氣者(うわきもの)には誰(た)れがしたと思召(おぼしめす)、三代(だい)傳(つた)はつての出來(でき)そこね、親父(おやぢ)が一生(せう)もかなしい事(こと)でござんしたとてほろりとするに、其(その)親父(おやぢ)さむはと問(と)ひかけられて、親父(おやぢ)は職人(しよくにん)、祖父(ぢゞい)は四角(かく)な字(じ)をば讀(よ)んだ人(ひと)でござんす、つまりは私(わたし)のやうな氣違(きちが)ひで、世(よ)に益(ゑき)のない反古紙(ほごがみ)をこしらへしに、版(はん)をばお上(かみ)から止(と)められたとやら、ゆるされぬとかに斷食(だんじき)して死(し)んださうに御座(ござ)んす、十六の年(とし)から思(おも)ふ事(こと)があつて、生(うま)れも賤(いや)しい身(み)であつたれど一念(ねん)に修業(しゆげふ)して六十にあまるまで仕出來(しでか)したる事(こと)なく、終(おはり)は人(ひと)の物笑(ものわら)ひに今(いま)では名(な)を知(し)る人(ひと)もなしとて父(ちゝ)が常住(ぢやうぢう)歎(なげ)いたを子供(こども)の頃(ころ)より聞知(きゝし)つて居(お)りました、私(わたし)の父(ちゝ)といふは三つの歳(とし)に椽(ゑん)から落(おち)て片足(かたあし)あやしき風(ふう)になりたれば人中(ひとなか)に立(たち)まじるも嫌(い)やとて居職(いしよく)に飾(かざり)の金物(かなもの)をこしらへましたれど、氣位(きぐらい)たかくて人愛(じんあい)のなければ贔負(ひいき)にしてくれる人(ひと)もなく、あゝ私(わたし)が覺(おぼ)えて七つの年(とし)の冬(ふゆ)でござんした、寒中(かんちう)親子(おやこ)三人(にん)ながら古裕衣(ふるゆかた)で、父(ちゝ)は寒(さむ)いも知(し)らぬか柱(はしら)に寄(よ)つて細工物(さいくもの)の工夫(くふう)をこらすに、母(はゝ)は欠(か)けた一つ竃(べツつい)に破(わ)れ鍋(なべ)かけて私(わたし)に去(さ)る物(もの)を買(か)ひに行(ゆ)けといふ、味噌(みそ)こし下(さ)げて端(はし)たのお錢(あし)を手(て)に握(にぎ)つて米屋(こめや)の門(かど)までは嬉(うれ)しく驅(か)けつけたれど、歸(かへ)りには寒(さむ)さの身(み)にしみて手(て)も足(あし)も龜(かじ)かみたれば五六軒(ごろくけん)隔(へだ)てし溝板(どぶいた)の上(うへ)の氷(こほり)にすべり、足溜(あしだま)りなく轉(こ)ける機會(はづみ)に手(て)の物(もの)を取落(とりおと)して、一枚(まい)はづれし溝板(どぶいた)のひまよりざら/\と翻(こぼ)れ入(い)れば、下(した)は行水(ゆくみづ)きたなき溝泥(どぶどろ)なり、幾度(いくたび)も覗(のぞ)いては見(み)たれど是(こ)れをば何(なん)として拾(ひろ)はれませう、其時(そのとき)私(わたし)は七つであつたれど家(うち)の内(うち)の樣子(やうす)、父母(ちゝはゝ)の心(こゝろ)をも知(し)れてあるにお米(こめ)は途中(とちう)で落(おと)しましたと空(から)の味噌(みそ)こしさげて家(うち)には歸(かへ)られず、立(たつ)てしばらく泣(な)いて居(い)たれど何(ど)うしたと問(と)ふて呉(く)れる人(ひと)もなく、聞(き)いたからとて買(かつ)てやらうと言(い)ふ人(ひと)は猶更(なほさら)なし、あの時近處(ときゝんじよ)に川(かは)なり池(いけ)なりあらうなら私(わたし)は定(さだめ)し身(み)を投(な)げて仕舞(しま)ひましたろ、話(はな)しは誠(まこと)の百分一、私(わたし)は其頃(そのころ)から氣(き)が狂(くる)つたのでござんす、皈(かへ)りの遲(おそ)きを母(はゝ)の親(おや)案(あん)して尋(たづ)ねに來(き)てくれたをば時機(しほ)に家(うち)へは戻(もど)つたれど、母(はゝ)も物(もの)いはず父親(てゝおや)も無言(むごん)に、誰(た)れ一人(ひとり)私(わたし)をば叱(しか)る物(もの)もなく、家(うち)の内(うち)森(しん)として折々(おり/\)溜息(ためいき)の聲(こゑ)のもれるに私(わたし)は身(み)を切(き)られるより情(なさけ)なく、今日(けふ)は一日斷食(だんじき)にせうと父(ちゝ)の一言(こと)いひ出(だ)すまでは忍(しの)んで息(いき)をつくやうで御座(ござ)んした...
樋口一葉 「にごりえ」
...レスブリッジは間違いとしか反論しなかった」「あなたの間違いですよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...首をさしのべよ」これを聞くと曹操の気は怒るまいとしても怒らざるを得なかった...
吉川英治 「三国志」
...一生懸命に急いで彼に遅れまいとした...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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