...)――「ただ、いかんせん、亭主に高利の借がある...
泉鏡花 「薄紅梅」
...いかんせん世の習(ならい)である...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...京漢線(けいかんせん)の汽車にすら乗ることを危ぶんでゐた人達のことだのが...
田山録弥 「北京の一夜」
...いかんせん、彼は父を愛していなかったではないか!大佐の遺産とては何もなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...匡(きょう)の地で暴民に囲まれた時昂然(こうぜん)として孔子の言った「天のいまだ斯文(しぶん)を喪(ほろぼ)さざるや匡人(きょうひと)それ予(われ)をいかんせんや」が...
中島敦 「弟子」
...いかんせん分化作用がそこまで達しておらんから皆無駄目である...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...筋頭(きんとう)に瘋味(ふうみ)あるをいかんせん...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ただいかんせん京都附近の地形は比較的単純で...
柳田國男 「地名の研究」
...人の愛情をいかんせんです...
吉川英治 「江戸三国志」
...いかんせん故人の寄託(きたく)は重すぎます...
吉川英治 「三国志」
...いかんせん城中では打ち明けて共に事をなす部下の勇士も少いので...
吉川英治 「三国志」
...「――中将どのは、つまり帝のご還幸の露払いとして、山陰山陽の兵二万余騎を擁(よう)し、この四月頃から六波羅攻めを開始されておりますなれど、いかんせん、お公卿さまです...
吉川英治 「私本太平記」
...いかんせん、これまでは、政途の茨(いばら)、四囲の諸事情、足利家として、あらわに御当家と好誼(よしみ)を厚うするなどの儀は不可能にございましたが、今はまったく天下の形勢も異(こと)なってまいりました...
吉川英治 「私本太平記」
...一刻もはやく御援軍を」と、飛書、早馬、相継ぐ急使をもって、訴えられたこともちろんであるが、いかんせん、事情は急速に毛利の軍勢をして、ここへ反転進出してくるのをゆるさなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...唄に鼓(つづみ)あり、舞に銀扇あり、人に歓声笑語もあるが、いかんせん、悲愁の気は掃(はら)うことができない...
吉川英治 「新書太閤記」
...そんなにひどいのか」「そこで、検非違使(けびいし)の包待制(ほうたいせい)のごときは、施薬院(せやくいん)の医吏(いり)をはげまし、また、自分の俸給まで投げだして、必死な救済にあたっておりますが、いかんせん、疫痢(えきり)の猖獗(しょうけつ)にはかてません...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いかんせん、醒(さ)めたとはいえ、泥酔の果てである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その平家村史料は、週刊朝日誌上で募集をこころみた結果、全国の平家村分布地方から約二百七、八十通にのぼる口碑、伝説、図絵、歌謡、風俗、変遷などの御報告があったものなのですが、いかんせん、これの整理にはたいへんな日時とまた重複、錯誤(さくご)などもただして、さらに筆を加えなければなりませんので、研究目的は果たされたわけですが、まだこれを上梓(じょうし)するまでには整っておりません...
吉川英治 「随筆 新平家」
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