...あまつさえ手をあげて...
芥川龍之介 「さまよえる猶太人」
...あまつさえ大概番傘の処を...
泉鏡花 「薄紅梅」
...あまつさえこの感状を戴いた...
泉鏡花 「海城発電」
...あまつさえ、目に爽(さわや)かな、敷波の松、白妙(しろたえ)の渚(なぎさ)どころか、一毛の青いものさえない...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...その彼女が、いわば召使の斎藤老人に、弱点をつかれ、あまつさえ、なき夫の口からも聞いたことのない、はげしい叱責を受けて、くやしさに、のぼせ上ったのは無理もない...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...あまつさえ女の身として男を捉(とら)え阿呆(あほう)などと口汚(くちぎたな)く云うのは聞辛(ききづら)しあれだけはなにとぞ慎(つつし)んで下されもうこれからは時間を定めて夜が更(ふ)けぬうちに止(や)めたがよい佐助のひいひい泣く声が耳について皆が寝られないで困りますと...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...「あまつさえ、勘定奉行大橋近江守(おおはしおうみのかみ)殿を欺(あざむ)き、本多伯耆守(ほんだほうきのかみ)殿にまで御迷惑をかけ、百姓共の強訴(ごうそ)を拒んで、大公儀の御眼を昏(くら)ます不届千万の処置振り、天人倶(とも)に許さざる暴戻(ぼうれい)とは此事で御座るぞ――その兵部少輔殿の倖風情が、拙者の娘を申受け度いなどとは以(もっ)ての外だ、とっとと帰らっしゃれ――何、そう言ったが不足だと仰しゃるか、宜しいお相手仕(つかまつ)ろう、四人や五人の腰抜武士を恐るる拙者では無い、さア」五十幾歳の遠藤主膳、一刀を提(ひっさ)げて立つと、縁側の障子を押し開けて、夜の庭に飛出そうとするのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...あまつさえ義兄弟まで...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...あまつさえ向うの藁屋根(わらやね)の下からは七面鳥の啼(な)きごえさえのんびりと聞えていて...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...あまつさえ英国の運命がこの手紙にかかっています...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...あまつさえ角を生ぜるを...
南方熊楠 「十二支考」
...あまつさえろくに刀の抜きようも知らないで...
吉川英治 「剣難女難」
...あまつさえ不敵な口答え」「それへ直れ...
吉川英治 「剣難女難」
...鐘巻自斎の力を借りて、卑怯な勝ちを制した宮津の京極家は、その後ますます近国へ羽振りを利(き)かし、あまつさえ、先頃も江戸城内で、将軍家を初め諸侯列席の所に於いて、喋々(ちょうちょう)と当時の自慢話をいたし、この忠房に満座の中で、赤恥をかかせおった...
吉川英治 「剣難女難」
...あまつさえ丹後守の老臣ずれが...
吉川英治 「剣難女難」
...あまつさえ臣下の丁儀が頭から使者たる手前に向って……汝...
吉川英治 「三国志」
...あまつさえ、笠置のあとも、吉田大納言定房だけは、恬(てん)として、新朝廷に仕えていた...
吉川英治 「私本太平記」
...みずから、南もまだ片づかぬまに、また北へ大軍を分かち、あまつさえ、大坂城を留守にするなどという悪手(あくしゅ)を、どうして秀吉ほどな人がやるのかしら? ……と、疑われてならないのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
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