...こんどあべこべに見物人の席から...
海野十三 「金属人間」
...御者と別當とあべこべ也...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...種核の外側で終つてゐるのとあべこべに...
薄田泣菫 「独楽園」
...それでは方角があべこべだ...
太宰治 「佐渡」
...何うであった?」南玉は、手を、横に振って「駄目、駄目」深雪が、眉をひそめて「困りましたな、お兄様」「何処の、古着屋も、古道具屋も、皆、黒船騒ぎで、品物を買うどころか、あべこべに、売って逃げようとしておりましてな」南玉は、そう云って、懐から、小さい風呂敷を出して「しかし、十五両がとこ、慥(こしら)えて参りましたよ...
直木三十五 「南国太平記」
...あべこべに偽善者を罰したりする...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...水は一箇所だけ付いていたはずだ、――糸が皆んな濡れていたわけじゃない、――いや一箇所も――火箸を首の右の方で突っ込んで絞ったとすると、そのあべこべの、左の方だったと思う、水は――」「どこにもありませんよ、親分」「その土瓶(どびん)が空っぽになっていたはずだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...光線が下から匍い上がって、煙が上から匍い下がれば、世の中はすっかり、あべこべである...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...――勿論、眞の小説といふものが人間を創造することにあるといふ事は否應なしに認めてゐたが、私はさういふ眞の小説をあまり嚴格に考へ過ぎてゐるせゐか、たうていこれまでの私にはそんなものは、それに近いものすら書けさうもないと考へたので、あべこべに、少しもさういふ小説らしいところのない小説ばかり書いてゐたのだ...
堀辰雄 「小説のことなど」
...あべこべに説明者の位置に立せられて答案した...
牧野信一 「鱗雲」
...あべこべにこっちの懐中(ふところ)からいくらか出してバラまいてやったとて毫末(ごうまつ)も差し支えないというような嬉しい気ッ風が骨身にまで侵み込んでしまっている次郎吉のようなものにとって...
正岡容 「小説 圓朝」
...そのあべこべに、その男を、さんざッぱら、ひどい目に逢わしてやらなけりゃあ、辛抱がなりません...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あべこべに狙うものがあることをとかく...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...すなわち別様に、あべこべに、解釈して、「彼はどうしても善人であるに違いない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...乱暴者のほうがあべこべにけがをした...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...まるであべこべです...
吉川英治 「三国志」
...で、自然、あべこべに、老公のほうから話題を出しては、話しかけるようにならざるを得ない...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...余五郎どのの壮気をあべこべに駆りたてたかも知れぬ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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